2006-03-05

失われた技術の回復

昨日は少し寝坊して母校に着いたのは12時を少し回った後だった。PAQ氏はQSOを楽しんでいる。中学生達はゲームで遊んでいるではないか。 電車の中で受信したPAQ氏からのmailでは、前日に出した課題を議論するためにノートを買ってきており Knoppixも自ら起動したということだった。私が着く頃には喧々諤々の議論が白熱していると思っていたのだが....ノートには一ページだけ何かが書かれていた。 それを見るに何をしなければならないのか、何を議論しなければならないのか判っていないようだ。 自分達に知識がないことを言い訳にして何もしようとしない。ということで近くにある図書館に連れて行く。ロボット作りの入門書をPAQ氏が見つけ、それを教えてやると黙々と読んでいた。 あの手の入門書には作成例が載っているので、何をやるのかイメージがつかみやすい。 これでイメージを掴み、我々が去った後に自立して手を動かすか。これに部活の命運がかかっている。

部活の活動が数年間行われなくなると、技術の伝達が行われなくなる。 新人が興味を持って入部してきても、技術を持った人間が部活にいなければ、何をしていいのかわからない。何から始めていいのか、何をしなければならないのか、まったくわからない。 失われた技術を回復するというのは、この段階から始めることを要求される。 だからその技術を持った指導者が必要だ。部活ではその立場にあるのが先輩である。

日本が戦後トランジスタの研究を始めたときもこうであったに違いない。 海外の論文や雑誌を読み漁り、議論していたことだろう。そして高い金を払ってアメリカに人を送って学ばせた。今回の地元での滞在でつくづく感じたのは、失われた技術を立て直すことは本当に大変ということだ。 そして技術の継承を断ち切るのは本当に簡単だ。本当にそう思った。






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