2005-10-16

国立天文台の特別公開

昨日は国立天文台特別公開に行った。武蔵境からバスで15分とあったが結構遠い。まぁ研究所なんて街中にある必要ないし、天文台の場合は田舎にあってナンボだから仕方がないのだが。

到着したのが3時過ぎということもあり、まずTAMA300へ。予想通りだが長い真空チェンバしか見えない。TAMA300の実態は、片腕300mのマイケルソン干渉計。入ってすぐ小さなマイケルソン干渉計で原理を説明してくれる。なかなかわかりやすい。私は以前光共振器の振動を測定したことがある。鏡の振動をどうやって抑えているか聞いてみると、振り子に載せて振動の速い成分を抑える。遅い成分は電磁石を使ってフィードバックしているそうだ。

次に近くにあった太陽フレア望遠鏡に行く。これは4種類の望遠鏡を集めたようなもので太陽フレアを観測しているらしい。その隣にMIRAという赤外干渉計があり行ってみる。どうやら30m離れた二つの望遠鏡で同じものを見て、その干渉パターンで星の大きさ等を測っているらしい。さらにその隣にある自動光電子午環にいく。ここでは星の位置を測定しているらしい。望遠鏡が一本あり、それで星を見て望遠鏡が向いている方向で位置を求めるという装置だ。精度を出すためにわざと一軸しか動かないようにしてある。空気の屈折などを補正するために必要な気温や湿度をドーム内のいたるところで測っていた。

つぎにすばる天文台のブースへ。ここでは模型を使って、すばるのことをかなり詳しく教えてくれた。なんとあの主鏡の一枚鏡は時々はずしてアルミコーティングをやり直すらしい。すばる天文台が円筒形をしているのは、ドーム内の空気の動きが観測に支障が出ないように、風洞実験して調べた結果とのこと。あと望遠鏡のフレームが青いのは、赤外線の影響を少なくするために塗った塗料の色が青かったというだけらしい。あと三鷹キャンパスですばるの遠隔操作ができるようになっているのだが、その制御室も見せてもらった。SunのWorkstationが5~6台並んでいた。MotifっぽいXのプログラムだった。結局こういう大規模実験施設ってどこもSunなんだよなぁ。

最後に50cm反射望遠鏡に。もう6時前だったので暗くなりかけていた。曇っていたので何も見えなかったが。天文台の中の壁にホワイトボードのペンでびっしりと文字が書いてある。あぁやるやる。そこですばるのマウスパッドを欲しがっていた見知らぬ女性と話をした。あぁもっとがんばれば食事にくらい誘えたかなぁ。Shyな自分に自己嫌悪。

さてどうして天文台は球形のドームなのか。50cm反射望遠鏡のところにいた学生に聞いてみた。「どの方向にも向けられるからじゃないですか?」とよくわからない答えを返してきたので「すばるは円筒形だよね?」と畳み込むと逃げられてしまった。その答えを帰りのバスの中で考えた。おそらく建築の問題なのだろう。開口部が望遠鏡と一緒に回転しなければならないので、軽く作る必要がある。軽い材料で強度を出すには球形がいい。ということでドームになったのではないか。すばるは簡単にドームを回すことよりも、空気の揺らぎの影響を最小限にすることをとったということだろう。

写真は後日。






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